第2回
「どうせググるんだから、jpとかドメインとか関係ないんじゃないの?」
とある中堅食品メーカーの宣伝部に勤務するB子さんは、新製品発表へ向けての戦略会議で、web対策についての意見を求められました。
「……したがって、日本語も含めた(商品名).jpのドメインを取得して、プロモーションサイトを構築してはと思うのですが」
「『まずは検索を!』って広告にも出すんだし、どうせググるんだから関係ないんじゃないの?自社サイトの中で問題ないでしょう。その分の費用は検索エンジン対策にまわすべきだよ」と上司。
「ですが……」
結局押し切られて新製品の発表を迎えます。しばらく後、B子さんが経過を調べようと新製品について検索したところ……。
SEOが功を奏して、トップには思惑通り自社の新製品ページがヒット。しかし、その下には新製品と競合他社製品を比較するレビューサイト、さらにその下には辛辣な感想が綴られた掲示板の投稿やブログがぞろぞろと。好意的な意見もありますが、これでは埋もれてしまいます。長いurlの新製品ページへダイレクトにやってくる人がいるとは思えず、検索したお客様が全員これを見るのかとB子さんは頭を抱えてしまいました。
時間やスペースの限られたテレビCMや雑誌広告では、最終的にwebサイトに誘導するといった形式のものが少なくありません。そこで近年重視されているのが、目的のwebサイトを検索結果の上位に表示させるためのSEO(Search Engine Optimization)=検索エンジン最適化、または対策と呼ばれる技術です。しかし、検索結果は刻々と変化するものであり、また検索エンジンの仕様変更で順位が変わる場合もあるなど、必ずしも期待通りの効果を上げるとは限りません。上の例のように、1位に表示されてもすぐ近くに競合商品や好ましくない情報が並び、消費者のアクセスを逃してしまうというリスクもあるでしょう。不安定なSEOに頼りすぎることには思わぬ落とし穴が潜んでいます。
そんなときに1つの提案となるのが、「日本語.jp」のドメインを利用することです。検索エンジンではなく、ブラウザのアドレス欄に日本語で入力し、消費者をダイレクトに目的のwebサイトへと誘導するというものです。ドメイン名は世界で1つであるため、消費者にとっても単語(商品名など)プラス「.jp」と覚えるだけで確実に目的のwebサイトにたどり着けるメリットがあります。入力も末尾まで全角のまま「商品名。jp」となっても認識されます。商品名とwebサイトが直接つながることで、名前をより強く印象付ける効果も期待できるでしょう。SEOによる検索誘導と補完し合う形で利用すれば、さらに理想的といえます。