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立ち上げ時に知っておくべきECサイト構築の秘訣①
-ECビジネス成功に欠かせないドメイン名のこだわり-

高いデザイン性やブランディング向上のための豊富な機能、独自ドメイン名のECサイト構築などが評価され、中小企業を中心に多くの事業者から支持される国産ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」。EC市場が活況を呈している現在、EC事業者が成功するにはどのようなことが必要になるのだろうか。同サービスを提供する株式会社フューチャーショップの執行役員 セールス・マーケティング部 統括マネージャーの安原貴之氏に話をうかがった。

安原貴之氏
執行役員
セールス・マーケティング部
統括マネージャー

成長産業だからこそ
細部へのこだわりが成功を左右する

昨今の自粛生活の影響もあり、業種を問わず右肩上がりの成長を続けているEC市場。その一翼を担うのが、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」だ。2003年のサービス開始以来高い評価を集めてきた要因は、ECサイトを事業の柱にしたいと本気で考える企業に最適な機能が豊富なことにある。安原氏はその特徴をこう語る。

「ECサイトを無料で即時構築できるサービスは他にたくさんあります。futureshopは、SaaS型で月額費用が掛かり、構築にもある程度の知識と時間が必要となる分、高いレベルでECサイトをつくり込むことができ、デジタルマーケティング実行のための機能が豊富です。外部サービスとの連携も可能なので、自社のECサイトをしっかり成長させたいと考える企業に向いているサービスだと言えます」

実際、2,800を超える稼働店舗のうち、約7店舗に1店舗が年商1億円に到達しているという(2021年2月時点)。市場自体が成長著しいだけに、この数字は今後さらに伸びていくだろう。しかし、需要の増加に比例して新規参入企業も増えているため、実店舗を舞台としたビジネス知識だけでなく、ECサイトやデジタルマーケティングなどへのリテラシーも求められるようになっている。futureshopのユーザーはECサイト運用に力を入れて取り組んでいる企業が多く、デジタルリテラシーも高い方が多いものの、ドメイン名のような土台を疎かにしてしまい思わぬ失敗を招いてしまうケースもあるという。

「futureshopは独自ドメイン名を使えるのが特徴ですが、ドメイン名の更新を忘れてしまい、ある日突然ECサイトにアクセスできなくなる事象が起きることがあります。かつて、年末年始のセール時期にドメイン名契約が切れ、かなりの損失を出してしまった企業もありました。もちろん我々にドメイン名管理を依頼されるお客様は大丈夫ですが、お客様自身で管理される場合は注意が必要です。誰がどう管理するのか明確にしておくといいでしょう」

当然、こうした機会損失はECサイトにとって大敵である。ドメイン名の管理も含め、細部にまでこだわることがECビジネスでの成功の第一歩と言えるだろう。

ECサイトのドメイン名に
欠かせないポイント

Webサイトにおいてドメイン名は“土台”だが、同時に“顔”でもある。特にECサイトのようにエンドユーザーと直接向き合うビジネスでは、決してないがしろにはできない。ではドメイン名選定の際には、どのようなことに配慮すればいいのだろうか。

安原氏は、まず独自ドメイン名であることが重要だという。それは、「ユーザーの動向を分析・把握して改善していく」というECサイト運用で最も重要な作業を行うためには、解析ツールを導入しやすい独自ドメイン名であることが望ましいからだ。さらに、ブランド名が想起できるドメイン名であることも大切だとも。エンドユーザーがそのドメイン名を見た時にすぐにブランドのことを思い浮かべられるか否かは、ブランドの認知拡大には欠かせない。これに関連して安原氏は、“安心感”をキーワードにこう付け加える。

「ECサイトの増加に伴って詐欺サイトも増えています。特にECサイトは決済したり個人情報を取得したりする必要があるため、お客様に安心と安全を提供できるドメイン名を選定することも重要です。例えば『.jp』だと日本に拠点のある組織・個人だということが伝わり、特に『.co.jp』は日本の企業しか登録できないものなので、一定の安心感を与えられるでしょう。ECビジネスでは“成功の方程式”というものはなく、成功に近づくためにできる細かなこだわりの積み重ねが大事です。その一つが、JPドメイン名を選ぶことだと言えます」

futureshopでは9種類のTLDを選択できるが、そのうち全体の52.8%のユーザーがJPドメイン名を登録しているという。プロのEC事業者が集うfutureshopにおいてJPドメイン名利用者が最も多いということが、その信頼性の高さを表していると言える。

最後に、今後の展望について尋ねた。

「弊社では、10年以上前から『ECサイトという言葉はなくなるのではないか』と言ってきました。今では消費者にとってリアルとデジタルの垣根はなくなり、誰もがインターネットを意識せずに利用しています。EC事業者が消費者行動の変化に対応していくためにも、有益なサービスを提供し続けていきたいです」

プロのEC事業者を支える真のプロフェッショナルとして、彼らがつくり出す未来に期待したい。

ドメイン名がECサイトに及ぼす影響

ドメイン名はよく考えて取得しないと後悔することに。例えば、サービス名の認知が高いのに会社名でドメイン名を取得してしまいユーザーに認知されなかったり、見慣れないTLD(ドメイン名のドットで区切られた文字列の一番右の部分)を登録したことで不安感を持たれたりすることがある。また、ドメイン名の更新をし忘れるトラブルも意外とあるので、誰がどうやって管理するのかを明確にしておこう

JPドメイン名の種類

JPドメイン名は大別して3つの種類がある。それぞれの特徴や意味を把握しておこう。

汎用JPドメイン名:◯◯◯.jp

日本国内に住所を持つ組織・個人であれば、誰でもいくつでも登録できる。漢字やひらがな、カタカナといった日本語を使った、わかりやすく覚えやすいドメイン名にすることも可能

都道府県型JPドメイン名:○○○.aomori.jp/○○○.東京.jp など

日本国内に住所を持つ組織・個人であれば誰でもいくつでも登録できる。北海道から沖縄まで47都道府県すべてあり、○○○の部分と都道府県名の部分は日本語でも登録できる。地域とのつながりをアピールしたいWebサイトにおすすめ

属性型JPドメイン名:◯◯◯ .co.jp など

企業(co.jp)や大学(ac.jp)など、組織の種別ごとに区別されたドメイン名。日本で登記/設立された組織が、一つの組織につき一つだけドメイン名を登録できる。また、組織設立の6カ月前から登録できる(仮登録)制度もある

企画協力:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

Web Designing 2021年6月号 掲載