すべての記事
特別記事

すぐわかる!DNSのしくみ

ドメイン名はインターネット上の住所にあたる重要な情報です。広大なインターネットの世界で、ホームページを見たり電子メールを送ったりするとき、相手がインターネット上のどこにいるのかを知るためにドメイン名が使われています。
しかし、実際コンピューター同士が通信するときは、ドメイン名ではなく、IPアドレスとよばれる数字を使っています。「202.11.16.167」のように数字をピリオドで区切ったものがIPアドレスです。このような数字だけの羅列を私たちが識別するのは困難なため、人間でも覚えやすいドメイン名というものに便宜上置き換えているのです。
つまり、私たちが使用しているドメイン名をコンピューター同士の通信で使うためには、IPアドレスに戻す作業が必要になってきます。このドメイン名とIPアドレスを対応づけるしくみがドメインネームシステム(DNS)であり、「インターネットの住所録」にあたるものなのです。

このDNSで管理しなければならないドメイン名は、現在世界中に約2億あるといわれています。さらに、それぞれのドメイン名を毎日世界中の人が利用したり、ドメイン名情報がどんどん変わったりすることを考えると、すべてのドメイン名の情報をひとつの住所録で管理することが、いかに難しいことか想像がつくでしょう。
そこで、以下のような住所録を分散して管理するしくみが考えられました。

▲DNSの構造の図。たとえば「www.example.co.jp」のIPアドレスは、オレンジの流れをたどることで知ることができる。

一番上の「ルート(root)」とよばれる部分を頂点として、下の階層にいくほど広がっており、木を逆さにしたような形になっています。一番上が木の根っこにあたる部分なので、「root」(英語で「木の根」の意)というわけです。「ルート(root)」のひとつ下の階層には「.jp」「.com」「.net」などのトップレベルドメインごとの住所録があります。さらにその下の階層では、「co.jp」「or.jp」「go.jp」といった、さらに細かい階層の住所録が用意されています。ひとつの住所録ですべての情報を管理するのが大変なので、住所録を分担して管理し、必要な情報が書かれた場所へ誘導するしくみになっています。

  1. ­
  2. 1
  3. 2
  4. 次へ