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企画からドメイン名の選定まで
発注側・制作側の両者に聞く

成功するWeb制作は“ココ”にこだわる
ユーザーが求めるわかりやすさを具現化した
「踏み込んだ取り組み」とは?

サントリーマーケティング&コマース × あんどぷらす

サントリーマーケティング&コマースが2023年から展開する「ツナグNe!」は、クラウド型POSレジやモバイルオーダーといった、飲食店運営を効率化する機能を備えたDX推進サービスだ。
今回は、その「ツナグNe!」の特徴やメリットを紹介する「ツナグNe!サービスサイト」が、どんな点にポイントを置いてつくられたのかを、同社の谷内一樹さんと、制作会社あんどぷらすの望月誠さん、発注側と制作側の両者に聞いた。

Text : 久我智也 Photo:五味茂雄

サントリーマーケティング&コマース株式会社
谷内一樹さん
Kazuki Taniguchi

自社ECサイトの管理、運用を主担当とする。SMCでの新規事業となった「ツナグNe!」プロジェクトにおいてサービスサイトの構築と運用、保守を担当

株式会社あんどぷらす
望月誠さん(左)
Makoto Mochizuki

2000年にオフィスあんどぷらすとして創業、子供服の販売サイトを運営しつつECサイト構築を受託。現在は代表の業務に取り組みつつ、制作にも携わる

坂本唯さん(右)
Yui Sakamoto

異業種からの転職で2022年入社。広報からインナーブランディングまで幅広く業務に携わる。ツナグNe!サービスサイトメインビジュアルのモデルも務めた

●POINT@ ドメイン選択

POSレジのシステム用ページで使われる「tsunagune.jp」と区別するために、冒頭に「service」を付けたドメイン名。谷内さんは「.jp」は「信頼感」を与えてくれるドメイン名だと感じていると話した

service.tsunagune.jp/

●POINTA ビジュアル構築

サイトで使われる写真やイラストは、あんどぷらすが制作したもの。飲食店のユーザーに自身の課題やニーズを想起させ、「共感」を抱かせる表現になるよう、時間をかけて実現したという

■提供価値を突き詰めてビジュアルに落とし込む

多くの企業が激しい競争を繰り広げる飲食店向けDX推進サービス市場。サントリーマーケティング&コマース(以下、SMC)があえて市場参入を決めたのは、長く取引のある顧客の声に応えてのことと谷内さんは言う。

「ある頃から、現場の営業担当を通じて『クラウドPOSを紹介してほしい』という声が挙がってきました。深く聞いてみると、システム用語がわからない、外食の現場を理解してもらえないというお話で、飲食店をよく知る我々に期待をしてくださっているとのことでした。ならばと、後発で厳しいことは承知の上で、POSレジサービスへの参入を決めたのです」

飲食店にとっての“わかりやすさ”を追求して開発が進められた「ツナグNe!」。その周知と、顧客窓口としての役割を担うのが、今回紹介する「ツナグNe!サービスサイト」だ。その制作では当然ながら、わかりやすさをどう実現するかがテーマとなった。

制作を担当したあんどぷらすの望月さんは、企画を練る段階でPOSレジ実機を使ってみることにしたと話す。

「サービスへの理解を深め、伝えるべき情報の取捨選択を行うために実際の利用が欠かせないと考えました。お借りした実機は、飲食店に見立てた社内カフェスペースに設置して仮の運用を行いました。これによって制作チームで課題を共有し、ユーザーに伝えるべきポイントを明確にすることができたのです」

取り組みの成果の一つは、サービスの特徴紹介エリアに現れている。イラストを検討する際には、ターゲットとなる飲食店のユーザーに自身の課題やニーズを想起させ、共感を抱かせる表現になるよう、利用シーンの選択や動きの描写にこだわった。

“わかりやすさ”を表現するというSMCの要望を、“共感”で具現化したあんどぷらすの取り組み。谷内さんは、「飲食店がやりたいと考えることに対して、我々が同じ目線で会話できることを的確に表現できた」と高く評価する。

■ドメイン名が担保する安心感とわかりやすさ

サービスサイトではわかりやすさと同時に、ユーザーに不安を抱かせないことが大切になる。サイトの隅々にまで目を配ったと話す両社が共通して挙げたポイントが、ドメイン名だ。「ツナグNe!」では、「馴染みがあり、お客様に不安を抱かせない」という理由から、信頼感のある「.jp」のドメイン名を採用したという。さらに話を聞いていくと、飲食店向けサービスならではの事情も見えてきた。

「業務上、飲食店さんとは店頭や電話でコミュニケーションを行うことが多いのですが、その際、WebサイトのURLを口頭でお伝えするケースが少なからずあります。そうした場合にもJPドメイン名なら短くて口にしやすく、耳馴染みもよく伝わりやすい。些細なことのように思われるかもしれませんが、我々にとっては大事なことなのです」

最後に、今後の展望を尋ねた。

「飲食店さんにとっての“わかりやすさ”をどう表現するか。今回のあんどぷらすさんのPOSレジ実機を使った取り組みや、細部に目を配る姿勢は我々SMCのスタッフにも良い影響を与えてくれました。今後も共に歩んでいければと考えています」

JPドメイン名の種類

JPドメイン名は大別して3つの種類がある。それぞれの特徴や意味を把握しておこう。

汎用JPドメイン名:◯◯◯.jp

日本国内に住所を持つ組織・個人であれば、誰でもいくつでも登録できる。漢字やひらがな、カタカナといった日本語を使った、わかりやすく覚えやすいドメイン名にすることも可能

都道府県型JPドメイン名:○○○.aomori.jp/○○○.東京.jp など

日本国内に住所を持つ組織・個人であれば誰でもいくつでも登録できる。北海道から沖縄まで47都道府県すべてあり、○○○の部分と都道府県名の部分は日本語でも登録できる。地域とのつながりをアピールしたいWebサイトにおすすめ

属性型JPドメイン名:◯◯◯ .co.jp など

企業(co.jp)や大学(ac.jp)など、組織の種別ごとに区別されたドメイン名。日本で登記/設立された組織が、一つの組織につき一つだけドメイン名を登録できる。また、組織設立の6カ月前から登録できる(仮登録)制度もある

本記事は株式会社日本レジストリサービス(JPRS)とのタイアップです。

Web Designing 2024年8月号 掲載